「髙島野十郎の絵を公開予定…でした。」

 

残念ながらコロナ感染防止対策措置の関係で、当館は9月1日から30日まで臨時休館となりました。楽しみにしてくださっていた皆様にはご迷惑をおかけし申し訳ありません。

9月1日から、柏市等で開催された巡回展と連動した後期からの収蔵品特別展示として、画家、髙島野十郎の当館所蔵作品を展示予定でした。こちらも中止となってしまいましたが、千葉日報に掲載されたこともあり、ホームページ上でご覧いただくことにしました。

髙島野十郎は現代でも人気の高い洋画の巨匠で、「月」や「蝋燭」をテーマにした連作が有名です。そして2ヶ月だけですが、野田で晩年を過ごしたというゆかりがあります。

 

髙島野十郎(1890~1975)… 

本名は髙嶋彌壽(やじゅ)。福岡県生まれ。東京帝国大学農科大学水産学科に進学し、首席で卒業。画家を志し、昭和5年(1930)から8年にかけてヨーロッパに遊学。故郷の久留米や東京にアトリエを持ち、作品制作を行う。絵は独学で、画壇とも終生関わりを持たない孤高の画家であった。

 

昭和35年、70歳の時に千葉県柏市増尾にアトリエ兼住居を構え、お隣柏市で活躍した画家ですが、昭和50年7月、野田市の特別養護老人ホーム鶴寿園に入園、9月に亡くなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「御苑の大樹」

油彩、F8号、カンヴァス、制作年代不明

こちらは新宿御苑のユリの木を描いたものです。木の下でお弁当を食べる家族など、賑やかな庭園の様子が描かれています。平成6年に鶴寿園から当館に移管されました。この絵が鶴寿園に寄贈された経緯については不明ですが、亡くなった際に親類などから譲られたものではないかと考えられています。

またこの絵は、2019年に傷んだ部分を修繕をしました。綺麗になったものをお披露目することが出来ず残念ですが、またの展示機会をお待ちください。