野田市郷土博物館は昭和 34年(1959)に開館した、千葉県で最初の登録博物館です。設立にあたっては、野田地方文化団体協議会の市民たちによる精力的な文化活動が基礎になりました。國學院大學教授・樋口清之博士の指導による遺跡調査、万葉歌碑の建設、食生活展覧会や、市民自らによる資料調査や資料購入なども行われました。建物は京都タワーや日本武道館の建築家として知られる山田守の設計によります。令和3年(2021)に、国登録有形文化財となりました。
開館後は、全国でも珍しい醤油関連資料の公開をしてきました。4代勝文斎作の押絵扁額「野田醤油醸造之図」(明治時代)、扁額「御本丸・西御丸御用」(江戸時代)などは、当館を代表するコレクションです。また、地域の歴史・文化に関する特別展や市民参加型の企画展などを開催しています。
見どころ紹介
当館の外観は正倉院の校倉造をイメージしたものです。横長で左右対称の均整のとれた建物で、銅板葺の屋根に飛び出る小さな3つの三角屋根や等間隔で並ぶ窓の格子などがアクセントになっています。エントランスのガラス扉には、「野田市郷土博物館」の文字が、設計者・山田守が好んだ横長の丸ゴシック体で印字されています。
内部は吹き抜けの中2階構造になっており、階段の段鼻が緩やかなカーブが描いているほか、手すりのアールが全体の印象を柔らかく整えています。
※常設展、企画展/特別展の概要は、下記の展覧会のページをご覧ください。
野田市郷土博物館キャラクター
ミミーのモチーフは清水公園近くの野田貝塚から出土した縄文時代後期~晩期のミミズク形土偶です。土偶とは縄文時代につくられた土の人形のことで、鳥のミミズクに似ていることからミミズク形土偶とよばれています。大きな丸い耳飾りや目には、赤い顔料がよく残っています。安産や健康を祈ってつくられたといわれていますが、まだまだ謎がたくさんあります!