市民会館の「雨戸」にもご注目ください

今年もまた台風のシーズンがやってきましたね。あと数年で築100年を迎える市民会館(旧茂木佐平治邸)にとっても、台風の接近は気がかりなところです。

強い風が吹いたり、台風が近づいたりした際には、市民会館では一日中、雨戸を閉め切っています。「雨戸が閉まっていると縁側からの景色も楽しめないし…」と思われるかもしれませんが、実は、雨戸が閉まっているときだからこそ、見られるものもあるのです。

その一つ目がこちら。

 

 

これは、「無双窓」という小窓です。内側の板を横にスライドさせると外光が入る仕組みになっています。無双窓にはいくつか形があるようですが、市民会館の無双窓は、曲線を描く形になっています。この窓から庭園を眺めるのも、何だか風情があるような…。如何でしょうか。市民会館の雨戸には、この「無双窓」が4つ付けられています。

 

そして、もう一つがこちらです。

 

これは、雨戸に備え付けられたくぐり戸です。雨戸を閉めた状態でも、ここから外に出ることができます。雨が止んでも乾くまで雨戸は出しておくので、雨上がりのお庭に出る際は、このくぐり戸を使っていたのかもしれません。

くぐり戸をよく見てみると、戸が開いてしまわないように、木組みで鍵をかけられるようになっています。小さくて可愛い感じがするのですが…、如何でしょうか?

こちらが、鍵が閉まっている状態です。

鍵が開いた状態はこちら。

 

今回は、市民会館の雨戸をご紹介しました。強風や大雨の恐れのあるときにご来館いただくのは難しいですが、台風が過ぎ去った翌日なども、乾かすために雨戸を閉めたままにしていることがあります。雨戸を見てもがっかりせずに、ぜひ、レアな景色を楽しんでみてください。