ごあいさつ
このたび当館は、昭和34(1959)年4月10日の落成から数えて50年が経過し、市の博物館として市民に愛されてきた歴史は、半世紀という一つの節目を迎えました。
当館は、醤油醸造業をはじめ、郷土の歴史と文化を後世に伝えるべく設立され、収集・保存・展示・教育普及の活動が進められてきました。当館がここまで歩んでこられたのも、ひとえに市民の皆様、そして多くの方々のご協力とご支援があってこそと、深く感謝申し上げます。
この50年のときを経てなお、風情ある姿で来館者を出迎えてくれる当館の設計をしたのが建築家・山田守です。
山田守は現在の岐阜県羽島市に生まれ、逓信(ていしん)省に入り、全国各地の電信局・電話局・郵便局・病院を設計しました。また晩年には日本武道館や京都タワービル、東海大学の校舎などをつくり、生涯を通じて300以上の作品を残したと言われています。その一方で、この小さな、山田守唯一の博物館建築のことはこれまで詳しく知られてきませんでした。
当館の誕生は、昭和20年代に野田市民を中心とした文化活動グループが、博物館設立活動を行ったことにさかのぼります。そのころ山田守は東京に自らの建築事務所をかまえ、東海大学の教授に就任し、建築家として円熟期にありました。そのような折に、なぜここ野田市で博物館建設に携わることになったのでしょうか。そしてどうして“校倉造(あぜくらづくり)”風に設計をしたのでしょうか。
本特別展が、当館建物を野田の貴重な歴史資料として再評価する機会となり、さらには山田守研究史に一筋の新たな光をくわえることとなればと願っております。
- 会期
- 平成21年8月1日(土)~10月12日(月・祝)
- 会場
- 野田市郷土博物館1階展示室
- 開館時間
- 午前9時~午後5時
- 休館
- 火曜日
- 入館料
- 無料
- 協力
- 岩岡竜夫研究室(東海大学)
大宮司勝弘(東京家政学院大学) - 後援
- 日本建築学会
日本建築家協会
千葉県建築士会
DOCOMOMO Japan
東海大学
東海大学建築会