「猫の妙術」が絵本になりました

コロナウイルス感染拡大防止措置による臨時休館のため、企画展「令和3年度 野田に生きた人々 その生活と文化」は会期途中での終了となってしまいました。
この展示の中では、関宿藩士であった佚斎樗山の記した「猫の妙術」を、イラストレーター・まるおたお氏が絵本にするにあたり、縁あって当館で原画を展示していました。会期中もこの絵本のお問い合わせを多くいただきつつ、発行時期変更などから発売未定としておりましたが、この度絵本が完成しました。

猫の妙術とは
「猫の妙術」とは、関宿藩士であった佚斎樗山が著した剣術指南書の一つです。元々樗山の著した『田舎荘子』の内の一話であり、剣術以外にも荘子の思想を元に教訓など動物や神霊等が語る形式をとり、分かりやすく説いています。
剣術指南書とはいえ、心構えや精神面に焦点をあてて記されています。記載されている内容は、武術全般において重要な内容で、技術修練等々も大事ですが、心構えや精神面(ただ勇ましい気合だけ・作られた意識などではありません)もそれと同等もしくはそれ以上に大切であるというものです。『田舎荘子』は息子に教えを説くことを考えて作られた経緯があり、修練のまだ浅い者にも判りやすくを意識し、思いをめぐらせながら書いたのでしょう。

あらすじ
ある日勝軒という剣術者の家にネズミが入り込みました。退治しようとしましたが、飼い猫は返り討ちにあい、ネズミ捕りに名のある近所の猫達を借りてもネズミを捕まえることが出来ません。今度は少し離れたところからネズミ捕りができるという年寄りの猫を借りますが、見た目は強そうに見えません。
しかしその古猫は見事、ネズミを咥えて部屋から出ていきました。その夜猫達は古猫を招待し、極意を教えてもらう事となったのです。

原画の展示は終了してしまいましたが、ここに展示原画の一部を紹介いたします!
絵本は1冊2750円です。詳細は博物館・市民会館にお問い合わせください。